「食を語るなら自分の中で最高の精肉店と鮮魚店の情報を持て!」と・・・昔ある料理人に言われました。
今でもその言葉は確信をついていて、間違いのない格言であったと思います。
信頼できる「鮮魚店」と「精肉店」を知っておくと、なにかと便利ですし、美味しいものが手に入りますよ。
ぼくは、精肉店で6年間働いていました。自社牧場で牛を飼育している肉屋でしたので、枝肉(ロースやモモなどを部位ごとにしたもの)にわける作業から、ホルモンの下処理まで経験してきました。
そのため肉に関しての知識とこだわりは人並み以上だと自負しております。
大分市で牛肉を購入するのであれば、僕がオススメする精肉店は2店です。
今回はそのうちの1店「肉のカクエイ」のご紹介です。※もう1店「中門牛肉店」はここから
そのため、どこで生まれた牛でどんな品種の牛でも、日本で飼育された期間が最も長く、日本国内で食肉用に加工された牛(精肉したもの)は「国産牛」と 表示されます。
逆に、外来種や外国で生まれた牛であっても、日本国内での飼育期間の方が長く、日本国内で食肉用に加工されれば、国産牛として扱われます。
日本国内で精肉・加工品として使われている牛は、半分以上の割合でホルスタインとなり、その生産量の多さから国産牛とは、主にホルスタイン種を指しているといいます。
しかし、ホルスタイン種の肉はどんなに良くてもサシの入りが粗く、肉自体も赤みを帯びています。食べると、乳牛であるため、少し乳臭いといった特徴があります。
「肉のカクエイ」の国産牛を見てみましょう。
おわかりでしょうか?このきれいなサシ、ピンクがかった鮮やかな赤色
ホルスタインでは到底このような肉質にはなりません。
また、和牛であれば「和牛」と表記したほうが商品価値が上がるのでわざわざ「国産牛」と表記することはないでしょう。
交雑種は生産コストの引き下げ、肉質の向上を目的に交配させた品種です。
主に、黒毛和種の雄牛×ホルスタイン種の雌牛の交雑種を指します。
肉質や脂肪交雑もホルスタイン種に比べて向上しており、良質の交雑種になると和牛に近い肉の甘みを味わうことができ、国産牛(ホルスタイン種)と比べると、「肉質・脂肪交雑」共に格段に違います。
写真からわかるように「最良質の交雑種」です。正直このランクになると「和牛」と区別できる人間はほとんどいないでしょう。
プライムとはアメリカ産の牛肉の格付け等級のひとつです。
日本では、A5やA3といった和牛の格付け等級があるのと同様にアメリカでも、牛の種類、性別、成熟度、脂肪交雑(脂の入り方)などで以下の8等級に分類されています。
優れたものから
目次
肉のカクエイ 何がすごい?
品質
当然ながら品質は重要です。 肉のカクエイでは以下の牛肉を扱っています。※一部アンガスビーフも使用- 国産牛
- アメリカ産牛(PRIME)
- 麦黒牛
国産牛
まず基礎知識として 「国産牛」=「和牛」ではありません。和牛とは?
「和牛」とは日本の在来種をもとに、交配を繰り返して改良された牛の品種名であり、原産地とはまったく関係なく次の4品種だけを示しています。
- 黒毛和種(くろげわしゅ):主な産地…日本全国
- 褐毛和種(あかげわしゅ):主な産地…主に熊本県、高知県
- 日本短角種(にほんたんかくしゅ):主な産地…主に岩手県、北海道
- 無角和種(むかくわしゅ):主な産地…山口県
では国産牛とは?
国産牛とは、日本国内で飼育された牛のことをいいます。
ではどんな牛を使っているの?
おそらく黒毛和種の雄牛×ホルスタイン種の雌牛の交雑種です
アメリカ産牛 PRIME(プライム)
- プライム
- コマーシャル
- チョイス
- ユーティリティ
- セレクト
- カッター
- スタンダード
- キャナー
麦黒牛
聞きなれないかもしれませんね。「むぎくろうし」と読みます。 漢字の表記ですが、実はオーストラリアビーフです。麦黒牛とは?
スターゼン株式会社の輸入オリジナルブランドです。
麦黒牛は、赤身と脂身のバランスが良く、お肉本来の豊かな風味が特徴であるブラックアンガス種を指定しています。さらに、脂肪交雑と赤身・脂身の色調に基準を設けており、品質が安定しています。 麦黒牛には、大麦を中心として、トウモロコシや小麦などを混ぜた穀物主体の配合飼料を与えています。穀物主体の餌を200日以上もの長期にわたり給餌し肥育することで、やわらかく、深い味わいの牛肉になります。 さらに素牛の買い付けから肥育・生産・加工までの工程を、JBSオーストラリア社が一元管理。ラベルに記載されているデータをもとに、生産農家までのトレースバック(情報の追跡)が可能です。 麦黒牛は加工工場から輸送段階まで全ての工程で低温を維持。お客様のもとに届くまで、厳密な鮮度管理が行われています。 長々と書きましたが、安心安全が確立された良質なオーストラリアビーフということです。 「肉のカクエイ」ではどれもこれも素晴らしいモノを提供されていることが確認できます。スターゼン株式会社は、東京都港区に本社を置く食肉専門の商社である。 食肉の生産・加工・販売および食肉の輸入・販売のほか、ハム・ソーセージなど食肉加工品の製造・販売も行っている引用Wikipedia
コスパ
どんなにいいものであっても、値段が高ければ魅力は限りなく下がります。 実際高い金額を出せば「和牛」だって買えるわけですしね。 では金額を見てみましょう。タン
「肉のカクエイ」ではアメリカ産のタンを使用しています。 事前情報として、業務用激安店で知られる「コストコ」のむきタンの金額は100g 350~400円程度です。ちなみにスーパーでは大体600円~だと思います。 では「肉のカクエイ」のタンです。 「肉のカクエイ」ではタンは3部位に分けて販売しています。この時点で良心的だと思うのは、ぼくが精肉屋で働いていた経験があるからでしょうか・・・ タンは根元になるほど美味しいので「タン元」と「タン先」は当然別々の商品にすべきです。スーパーや多くの精肉店では全部「タン」として販売しています。 では金額とそれぞれの特徴です。- タン元:450円/100g 厚めのカット 切れ目の加工有柔らかくとても美味しい ※写真2枚目
- 牛のベロ(タン中)399円/100g 一般的なタン 当然美味しい ※写真1枚目
- コリタン(タン先):299円/100g 焼肉用にカットされているが、本来は煮込み用の部位 焼くと固い
ハラミ
実はハラミは紹介した3種類の肉ではなく普通のアンガスビーフ(アメリカ)です。 正直、スーパーで手に入るくらいのモノです。と言ってもコスパもほどほどによく美味しいのでオススメできないこともないです。 でもぼくが紹介したいのは、「肉のカクエイ」がいい意味でいい加減ということです。理由は・・・まずは写真をご覧ください。 「麦黒牛の特上カルビ」です。この写真で気づいたあなたはかなり肉に目が肥えています。 購入してみました。写真です。 おわかりですか?これ「サガリ」です。 「ハラミ」も「サガリ」も牛の横隔膜ですが、「サガリ」はより美味しい部位と思ってもらって差し支えありません。 というより、「カルビ」を商品名にして「サガリ」を出すお店は初めて見ました。ちなみにカルビは何の部位でもカルビとして売ることが出来ます。 しかし、「サガリ」は一応内臓ですので、「ホルモン」に分類されます。まあなかなか見たことない商法ですが、ギリギリセーフですし、ぼくらはこんな良質な「サガリ」を499円/100gで購入できるので、よしとしましょう。※「麦黒牛のカルビ」はお店の仕入れで部位が変わります。今回は「サガリ」でした その他、人気商品で無いことが多いですが、「ハラミステーキ」はおススメです。あれば是非購入してみて下さい。国産牛
さきほどご紹介した通り「肉のカクエイ」では黒毛和種の雄牛×ホルスタイン種の雌牛の交雑種を使用していると考えられます。 これが抜群に肉質が良く、お値段が良心的です。元精肉店勤務のぼくが自信をもってオススメします。 論より証拠です。写真をご覧ください。 1枚目の写真:国産上カルビ648円 部位としては「肩三角」 肩から腕にかかる部位です。サシは入っているが締まった赤身のため焼き過ぎると硬くなります。さっと焼いて食べるのがオススメです。 2枚目の写真:国産カクエイカルビ(上)705円 部位としては「ミスジ」 牛の肩甲骨の下の部分のお肉で、わずか2kgしか取れない超希少部位です。きれいなサシが入りとても柔らかい部位。こちらもさっと焼いて食べるのがオススメです。 どうですか?とくに「ミスジ」 これほどの「ミスジ」がこの金額で購入できることにびっくりです。というか和牛と言われて出されたら見た目では100%分かりません。食べてもきっとほとんどの人はわかりません。そのくらい美味しいしコスパに優れています。 今回の国産カルビは肩甲骨の肉シリーズでしたが、たまにロースを使用していることもあります。お店の仕入れ次第なんでしょうね。705円でサーロインだったときはさすがにびっくりしました。※カルビは何の部位でもカルビとして売ることが出来ます。ホルモンなどその他
写真をのせます。 ホルモンは- ミノ:輸入
- 赤センマイ(ギアラ):国産
- センマイ:国産
- 小腸:国産 輸入
- 大腸:国産 輸入
まとめ
いかがでしたか? 「肉のカクエイ」は元精肉店勤務のぼくが「これで儲けがあるんだろうか?」と心配するくらい良心的な価格で高品質な肉を提供している精肉店です。肉の仕入れルートが知りたいくらいです。 ネットで「肉のカクエイ」と検索すると2019年3月時点で評価が3.9でした。 本当に肉の相場や質がわかっている人間なら確実に5をつけます。改めて口コミとは素人の判断なのだなと思い、鵜呑みにするのは危険だと思った次第でした。 最後は少し愚痴になってしまい申し訳ありません。その位「肉のカクエイ」は凄いということをお伝えしたかったのです。気になった方は是非行ってみてください。店員さんも気さくで買い物しやすい雰囲気ですよ。肉のカクエイ