缶つまシリーズで最もマイナーなシリーズ「缶つま熟成」・・・
なんとこのシリーズには現在2つの商品しかありません。
かなり珍しいシリーズなので、口にしたことのない方も多いはず。
今回は、K&K缶つま熟成から「黒毛和牛ロースト」2000円(税込2200円)のご紹介です。
高い!!(笑)
※2020年現在は「缶つま熟成シリーズ」はなくなりました。商品自体は商品名を変更し販売中です。
缶つま熟成 黒毛和牛ロースト缶つま → 缶つま国産 熟成黒毛和牛ロースト
目次
商品説明
商品説明に「和牛の中でも人気の高い国産黒毛和牛の熟成肉をローストし、ロレーヌ岩塩と香辛料でシンプルに味付けしました。湯煎をして温めていただきますと、缶を開けた瞬間に熟成された香りが広がります。ドライエイジング製法にて熟成された黒毛和牛の肉の旨味と際立つ熟成香をお楽しみください。残った脂で炒め飯や野菜炒めなどを作っていただくと余すことなく美味しくお召し上がりいただけます。」とあります。
ドライエイジングにて熟成した黒毛和牛を使用しています。
さて、話題の熟成肉ですが、本当に美味しくなるのでしょうか?
そもそも、熟成肉について、現在では「正確な定義はありません。」つまり、少し寝かせただけの肉でも「これは熟成だ」と言えば熟成肉になってしまうのです。
熟成肉の製法には大きく分けて
- 「ドライエイジングビーフ」
- 「ウェットエイジングビーフ」
の二種類があります※日本の伝統技法である、枯らし熟成、ヨーグルトやチーズ由来の乳酸菌による、乳酸菌熟成もあります。
ドライエイジング
最も一般的な熟成法です。アメリカ発の熟成法です。チルド状態(0~3℃)の冷蔵庫内で、肉に風邪を循環させながら感想熟成する技法であり、やわらかくナッツのような香ばしい香りのお肉に仕上げるテクニックです。アメリカでは、比較的霜降りが少ないアンガス牛に用いています。
和牛の霜降り肉は、脂肪が多いのであまりドライエイジングには適さないと言われているが、和牛でも脂の少ない赤身肉、肉が固くなってしまった経産牛(出産経験のある牛、主に乳牛)には効果的で、やわらかくなり、うま味がアップします。
ウエットエイジング
ウエットエイジングは、乾燥させずに真空包装内で熟成を行うもので、ドライエイジングに対し、コストも低く簡単なため、一般的になっています。もともとは輸送の際に肉が劣化するのを防ぐ保存方法でした。。それが、肉を数日寝かせると肉質がやわらかくなり、うま味が増すことがわかり、ウエットエイジングと呼ばれるようになりました。しかし、もともとは保存目的のため、肉の柔らかさは増すものの、風味などの向上はありませんし、ドリップが多く出てしまう点も指摘されています。
肉を熟成するとおいしくなるのは、たんぱく質(肉自体)が自己消化することにより、ペプチド(2つ以上のアミノ酸が結合したもの)に変質し、そこでピラジン類が発生。このピラジンが、加熱することで香ばしい香りを発生し、その香気が、おいしい!と実感させると言われています。実は、熟成肉は、旨味成分、アミノ酸がたくさん生成しているからおいしいというわけではなく、科学的に見ると実は、熟成肉のアミノ酸量はそれほど多くない。けれど、加熱するとピラジンという成分が発生し、香ばしい香りがし、それが一層おいしい! という実感となることがわかってきています。熟成肉は、通常のお肉と比べると水分(正確には自由水のことで、食品中の成分と結合せず、移動することができる水。蒸発したり、凍ったりする)が減っているので、その分うま味が強く、味わいを濃く感じるといわれています。
前置きが長くなりましたが、さっそく商品のレビューです。
商品外観
原材料は、牛肉、食塩、香辛料のみです。素材で勝負ですね。
この缶詰は湯煎して食べることが推奨されています。
ぼくは缶詰にひと手間かけたくない人間です。缶詰ってそのまま開けてすぐ食べられるから魅力的なんですよね。しかし、今回はレビューなのでオススメの通り湯煎して食べてみます。
1度沸騰したお湯で5分くらい温めるのが目安です。
温まったところで開けてみましょう。
結構サシが入った部位も使用しています。
では食べてみます。いざ、実食!
評価まとめ
ぱさぱさ感はなく、口の中でほろほろとほどけていきます。和牛特有の濃厚な旨味もしっかり味わえます。
シンプルな素材でここまでの缶詰が作れるんですね。これは旨いです。
しかしながら、かなりの脂なので、少量で満足できそうです。
熟成の効果ですが、残念ながらわかりませんでした。熟成肉は焼いてこそ生きてくるので、やはり、最終的に煮込み料理と化す「缶詰」には不向きなのではないでしょうか?
評価です。
味は抜群に美味しかったです。しかし値段を考えると・・・というところです。
合う酒
ビール、赤ワインなど