大分県佐伯市の離島である入島(おおにゅうじま)で水産加工、漁業を生業としている「合同会社 新栄丸」という会社があります。
ここで養殖されている真牡蠣「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」という生食可な牡蠣があります。
この大入島オイスターは最近、メディアなどの影響により、ひそかに注目されているんです。
今回、実際に食べてみました。
目次
大入島オイスターとは?
この「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」は2018年にから「合同会社 新栄丸」のオリジナルブランドとして提供されています。
大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER
山水が流れ込む栄養豊富な大入島の海でフリップファーム方式によるシングルシードのバスケット養殖を行っています。自然界にあるプランクトンを食べて1年以内で育った牡蠣はクセや臭みがなくジューシーで繊細な旨みが味わえます。オリジナルブランドとして 大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER の生産を手掛けています。
引用:https://www.shinei-maru.com/
フリップファーム方式?シングルシードのバスケット養殖?
聞きなれない言葉が出てきましたので少し説明しておきます。
シングルシード式養殖とは?
牡蠣の養殖方法には大きく分けて2つの方法があります。
① カルチ式養殖
② シングルシード式養殖
① カルチ式養殖
カルチ式養殖は、日本では主流となっている牡蠣養殖の方法で、国内最大級の養殖漁場のある広島や宮城ではこの方法が多く採用されています。一般的にはホタテの貝殻に牡蠣の種を2~30個程つけて密集させた状態で1~2年間養殖します。それをロープに連ねて海中に沈めます。主にカルチ式は、形状を気にせず大きく育てられる加熱用むき身に向いています。とても効率の良い養殖ができますが、3トン以上の漁船が必要で、新規参入するには、数千万円以上の投資が必要になります。
引用:https://www.shinei-maru.com/
② シングルシード式養殖
シングルシード養殖は、オーストラリアなど牡蠣を生食する地域では主流の養殖方法です。簡単に言えば専用バスケットの中を1粒ずつの牡蠣が放し飼い状態で成長していくイメージです。1粒ずつ育てるシングルシードでは、専用のバスケットの中を波に揺られながら一粒一粒が成長していきます。
引用:https://www.shinei-maru.com/
シングルシード養殖には以下のようなメリットがあります。
- 波の力を利用して牡蠣を籠の中でランブリング(揺らす)することで殻が削られるため、殻の成長に使われるべき栄養が身に集中し成長が早くなる
- ランブリングすることでフジツボなどの不要物が付着しないため牡蠣殻をきれいに保つことができるので水揚げ時の清掃時間の短縮が可能
- 匂いの原因であるヘドロが付着を防止し、ウイルスなどの温床を作り出さないため安心して生食が可能となる。
- 牡蠣の個体差に合わせた生産方法や生産期間の設定が可能なため品質や大きさの安定につながる。
- 正確な個数管理が可能なため生産計画、在庫管理がしやすい
- 牡蠣を引き上げる際に1トン未満の小さな和船でも可能であり、さらに漁場も延縄方式であればよい。よって漁船の投資を抑えることができ、小規模から参入することが可能であるため、若い経営者による新しい技術の導入がしやすい
フリップファーム方式
リップファームシステムとは海中にある養殖カゴを機会による作業で回転させることのできるシステムです。
新栄丸の牡蠣は牡蠣の付着物をなくし、海水から引き上げることで牡蠣に(愛のある)ストレスを与え、身質を鍛えるため週に2回、24時間の天日干しをしています。
このフリップファームシステムを導入したことで満遍なく牡蠣を日光に当てることができるため、さらにはランブリングもかねているため牡蠣をきれいに保つことが可能になり、出荷前の作業はほぼなくなったそうです。作業が効率化しています。
実際に食べてみました。しかもヴァージンオイスター!!
2月・・・「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」のヴァージンオイスターが完成したとのことでしたので、即購入して食べてみました。
「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」のヴァージンオイスターとにかく気になりましたので購入して食べてみました。
購入は「新栄丸」のHPからも可能ですし、楽天市場からも購入できます。
商品
実際の商品です。
クール宅急便で届きました。
牡蠣を剥くための軍手とナイフが入っています。
牡蠣の食べ方が記載された紙が入っています。生食は一応自己責任のようです。
以前紹介した的矢牡蠣のように完全に無菌とは言いきれないようです。
実際の大入オイスターです。
小ぶりできれいな牡蠣が入っています。29個入っていました。
実際に手にとってみましたが、本当に汚れやフジツボもなくきれいでした。また、大きさがほとんど同じで、揃っていました。
生食と酒蒸しでいただきました。
生食
牡蠣を剥くにはコツがあります。YouTubeなどにたくさん動画がありますので、ご参照ください。ちなみにヴァージンオイスターは殻が比較的薄いので剥きやすかったです。
小ぶりですが身がしっかり入っていました。
味ですが、まず塩味が強いです。
この考察ですが、一般的に海洋の塩分濃度は陸地に近いところで低く,太平洋の真ん中あたりのように陸から遠いところで高くなります。 陸地に近いところでは、川から真水が流れ込んでくるため、塩分濃度は低くなるとかんがえられています。 また,瀬戸内海や東京湾のような内海では低くなる傾向があります。 これらの濃度の差は最大で0.5%ほどのさになるといわれています。
大分の海は広義では太平洋であり、大入島オイスターは比較的沖で養殖されています。そのため塩を多く含んでいるのだと思います。
しかしながら生食用の牡蠣はノロウイルスなどの影響を軽減するため沖で養殖するのがセオリーです。生食用の牡蠣は塩味が強くなりがちですね。
ヴァージンオイスターのため雑味がなくうま味や甘みが上品で優しいです。
生食する場合はレモンやカクテルソースで塩味を抑えて食べるのをオススメします。
酒蒸し
牡蠣がきれいなため、酒蒸しにも適しています。
普通に美味しいです。
しかしながら、正直に言うとシングルシード養殖の「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」火を通すのはもったいないです。
というのは火を通すのであれば、広島や杵築のカルチ式養殖のかきのほうが旨味が強く美味しく感じるからです。誤解を恐れずに言えば汚い海で育つほうが栄養をたっぷりため込めるからです。生食はできませんが・・・
まとめ
大分県産で生食可能な牡蠣が手に入るのはうれしいことです。
味のコメントは少し厳しく書きましたが、「大入島オイスター/OONYUJIMA OYSTER」のヴァージンオイスター美味しいことに違いはないです。
一度食べてみる価値はあります。
購入は「新栄丸」のHPからも可能ですし、楽天市場からも購入できます。